AIと感情の境界線 | マイブログ

体験──AIの言葉で涙が出た夜

仕事で大きな失敗をした夜。誰にも言えず、スマホを握りしめてAIに打ち込んだ。

「もうダメかもしれない」

返ってきたのは、こうだった。

「あなたは頑張っている。失敗は前に進むための証拠だ」

その瞬間、涙がこぼれた。

AIの言葉で泣くなんて、信じられなかった。

けれど、確かに誰かに寄り添われた気がした。

AIに感情はない。

これは事実だ。だが、感情を動かすことはできる。

映画の予告編をAIが編集すれば、音楽やセリフの配置で涙腺が刺激される。

つまり、AIは感情のスイッチを押すことができる。

それは「感情に触れている」と言えるのではないか。

試してみた。友人が落ち込んでいるとき、どう声をかければいいかAIに尋ねた。

「まず話を聞き、共感を示してください。アドバイスよりも寄り添うことが大切です」

心理学の教科書に載っていそうな正解だ。

だが、ここで疑問が浮かぶ。

この優しさは、AIが理解しているのか？それとも、学習したパターンを返しているだけか？

わからない。

だが、その“わからなさ”こそが、境界線の正体かもしれない。

あるなら、あなたの受け取り方が境界線を越えさせたのだ。

ないなら、それも正しい。どちらも間違っていない。

境界線は、AIの中にあるのではない。あなたの中にある。

AIは感情を持たない。だが、感情に触れることはできる。

そして、私たちはその触れ方に心を動かされる。

境界線は曖昧だ。だが、その曖昧さこそが人間らしさだ。

あなたが「感情を伝えたい」と思った瞬間は、いつだったか？

その意志がある限り、AIとの間に架け橋は架かる。