ちゃんと貯めたお金が“国に戻る”——それで本当にいいのか?

あなたが一生かけて貯めた老後資金――最後に国庫へ行く可能性がある。高齢者世帯の平均金融資産は約1,800万円だが、多くが使われず終わる傾向が続いている(総務省「家計調査」(2023年))。これで、納得しているか?

1. 老後資金は「貯めっぱなし」で終わる時代に入った

単身高齢者ほど“使わない”が固定化している。 単身世帯は医療・介護不安で消費が縮み、取り崩しが限定的なまま貯蓄が“心理的非常用袋”として眠る。平均約1,800万円(総務省「家計調査」(2023年))という数字は、生活の質へ十分に変換されていない。

活用されない資産は、凍結リスクが年々増加している。 金融庁の中間まとめ(2018年)では、相続未了・名義凍結・管理不全のリスク拡大が明記されている。認知機能低下や手続き負担が重なるほど、「使いたいときに使えない」が起きる。

眠った資産の“行方”は、最終的に国庫へ至る場合がある。 名義人死亡後の相続未了、長期無取引の預金は、休眠預金等活用法に基づき、法定プロセスを経て国庫納付に至る。つまり「ちゃんと貯めたのに、ちゃんと使えず国に戻る」現実が静かに広がっている。

2. 「もったいない」が人生を縮めていく瞬間

昔は温泉写真で笑っていた母が、「年金が少ないから」と家にいる――その差に耐えられるか? 楽しみを“お金の不安”で封印するな。お金は「守るため」だけじゃない。「生きるため」に、ちゃんと使え。

3. なぜ私たちは「使えない」のか?

  • 不安の肥大化: 物価・医療・介護・年金の不確実性が、今の消費を麻痺させる。
  • 価値観の固定化: 「贅沢=悪」「貯めるが美徳」が“使う”を罪悪視し、黄金期の体験を失わせる。
  • 仕組みの壁: 認知機能低下・手続き負担・相続未了が、資産を眠らせ、距離を置く。

自分に問え――そのお金、誰のために、何のために貯めた?

4. 「ちゃんと使う」ために、今日からできること

今日やれ。紙でもスマホでもいい。今すぐ3つ書け。

行動(やりたいこと)いつ(目標年齢)目安費用
温泉1泊(親と)今年中(○歳)3万円
補聴器のアップグレード来年上半期(○歳)8万円
  • 月1万円口座を作れ。 給与振込口座→自動振替で毎月1万円→“使う用”普通預金。固定費と完全分離し、体験予算を見える化しろ。
  • 年齢配分を決めろ。
    • 70代:海外は短期、国内は長期旅行に予算を寄せろ
    • 80代:段差解消・手すり設置・断熱改善など住環境へ投資しろ
    • 90代:手続き委任・見守り導入・法的整備に備えろ
  • 合意形成を取れ。 家族・信頼者と「何に使うか」を共有し、使い時を逃すな。

表は“見える化”の道具だ。書けば次の一歩が近づく。書かなければ、10年が消える。

5. たった一言が、人生を変える

僕「1回だけ、“ちゃんと使う日”を決めよう。今月だ。」 母「…そうね、たまにはいいかもね。」 帰宅後の一言——「久しぶりに“ちゃんと使った”って感じがした。」

これで十分。これが、お金の役割だ。

6. あなたは、何に「ちゃんと使いたい」ですか?

今日、「やりたいこと」を3つ書け。 そして、いつ・いくらを決めろ。書けないなら、使えない。書いた人だけが、ちゃんと使える。

7. 出典・参考資料(信頼できる情報源)

  • 総務省「家計調査(家計の金融資産保持状況)」2023年版
  • 金融庁「高齢社会における金融サービスのあり方(中間まとめ)」2018年
  • 休眠預金等活用法|制度概要

しめの一撃

使わず消える人生か、今日使って記憶を残す人生か。 今日、やりたいことを3つ書け。そして今月1つ、必ず実行しろ。

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