「70歳すぎて経営続けたらあかん」──TSUTAYA創業者・増田宗昭が語った“譲る覚悟”の本質

出典元:プレジデントオンライン

経営者にとって、事業承継は避けて通れない課題だ。

だが、いつ譲るべきか。

誰に託すべきか。

多くの創業者が、その答えを出せずにいる。

TSUTAYA創業者・増田宗昭氏は、明確な答えを持っていた。

「70歳すぎて経営続けたらあかん。それはもう“自分のための経営”になってしまうから」

この言葉には、創業者としての誇りと、譲ることへの覚悟が込められている。

譲ることは、手放すことではない

TSUTAYAを一代で築き上げた増田氏にとって、会社は単なる組織ではなかった。

「自分の分身」であり、「文化の発信基地」だった。

だからこそ、譲ることは簡単ではない。

だが彼はこう言う。

「創業者がいつまでも経営にしがみつくと、会社は“過去”に縛られる」

この言葉は、経営者としての矜持と未来への責任を示している。

譲ることは、未来を信じる行為なのだ。

「70歳で引退」を決めた理由

増田氏が「絶対にやらない」と決めていたのは、70歳を過ぎて経営を続けること。

その理由は、次の三点に集約される。

  • 経営が“自分のため”になってしまう
  • 後継者が育たない
  • 組織が“創業者の影”から抜け出せない

創業者の経験は貴重だ。

だが、それに頼りすぎると、次の世代が育たない。

増田氏は、後継者に「責任を持たせ、失敗させる」ことを重視した。

守るのではなく、任せる。

それが未来への投資だと考えた。

現場で伝えた「経営の魂」

増田氏は、理念を言葉ではなく行動で伝えた。

  • 後継者と100店舗以上を視察  → 現場の空気を肌で感じさせるため
  • 自ら新店舗を6つ立ち上げ  → 経営の本質を体験で継承
  • 毎週、自宅で勉強会を開催  → 社員に「TSUTAYAの魂」を共有する場を作った

これらは、単なる引き継ぎではない。 未来の経営者を育てるための「実践的な教育」だった。

譲るタイミングは、経営者の器を映す

「いつ譲るべきか」――この問いに、正解はない。

だが、譲る覚悟を持てるかどうかは、経営者の器を映す鏡だ。

増田氏は、70歳という明確なラインを引いた。

それは、自分のためではなく、会社の未来のためだった。

まとめ:譲ることは、未来への責任

このブログで伝えたかったのは、「引退の美学」ではない。

それは、「未来への責任」と「譲る覚悟」の話だ。

TSUTAYA創業者・増田宗昭氏が示したのは、 会社を“自分のもの”にしないという強い意志。

そして、次の世代に“文化”と“理念”を託すという経営者としての責任だった。

事業承継に迷うすべての人へ。 譲ることは、終わりではない。

それは、新しい始まりをつくる行為だ。

次回は、「後継者が育つ組織の条件」について掘り下げていきます。

経営の本質に触れる時間を、またご一緒できれば幸いです。

 

 

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