非エンジニア向けBIツールの選び方

―“なんとなく”導入は失敗の元。“ちゃんと”選ぶ会社だけが成果を出す―

非エンジニアでも成果を出せるBIツールは、すでにある

営業部のメンバーが、Excelしか使えなかったのにPower BIで売上推移を可視化してきた。 しかも、会議でその資料が「わかりやすい」と評価された。 この事実を見て、BIツールは専門職だけのものではないと確信した。

今や、非エンジニアでも使えるBIツールは複数存在する。 問題は、「どれを選ぶか」だ。

BIツール選びに必要な3つの評価軸

BIツールは、機能だけで選ぶと失敗する。 以下の3つの軸で比較することが、非エンジニアにとっては特に重要だ。

1. コスト

  • Power BI:月額1,090円(Proプラン)
  • Tableau:月額8,400円(Creatorライセンス)
  • MotionBoard:要問い合わせ(導入規模により変動)

導入初期は無料プランで試せるかどうかも重要。 Power BIは無料版でも基本機能が使えるため、社内検証に向いている。

2. クラウド対応と連携性

  • Power BI:Microsoft 365との連携が強力。SharePointやTeamsとの統合もスムーズ。
  • Tableau:Salesforceとの連携が得意。クラウド版とオンプレミス版が選べる。
  • MotionBoard:国産ツールで、社内システムとの連携に強み。

クラウド環境での運用を前提にするなら、連携性とセキュリティ対応は必ず確認すべき。

3. 社内教育のしやすさ

  • Power BI:Excelに近い操作感で、社内研修が不要なケースも多い。
  • Tableau:操作は直感的だが、表現の自由度が高く、慣れるまで時間がかかる。
  • MotionBoard:日本語UIでマニュアルも充実。サポート体制が手厚い。

「誰が使うか」を考えるなら、教育コストと習熟スピードは見逃せない。

「誰が・何に・どこまで」使うかを具体例で考える

誰が使うか

  • 営業部:Excel経験者が多く、Power BIが馴染みやすい
  • マーケティング部:デザイン性重視ならTableauが有利
  • 経営企画:複数部門のデータ統合が必要ならMotionBoardが適している

何に使うか

  • 売上分析:地域別・商品別の推移を可視化
  • 顧客分析:キャンペーン別の反応率やLTVの把握 -在庫管理:SKU別の回転率や欠品リスクの予測

どこまで使うか

  • 月次レポート作成だけなら無料プランでも十分
  • リアルタイム分析やダッシュボード共有が必要なら有料プランが必須

この3つを“ちゃんと”整理するだけで、選ぶべきツールは自然と絞られてくる。

実際の導入効果

営業部では、Power BI導入により 資料作成時間が週5時間→1時間に短縮。 マーケティング部では、Tableau活用により 施策改善の意思決定が2倍速に

どちらも、非エンジニアが“ちゃんと”使いこなしている事例だ。

あなたの職場ではどうだろう?

「BIツールは難しそう」「IT部門に任せるもの」――そう思っていませんか? でも、今のBIツールは誰でも直感的に使える設計になっている。 まずは無料プランで試してみる。それだけでも、業務の見え方が変わる。

まとめ:失敗する選び方・成功する選び方

BIツール選びで失敗する会社は、 「なんとなく有名だから」「とりあえず導入してみた」で決めてしまう。

成功する会社は、 「誰が使うか」「何に使うか」「どこまで使うか」を“ちゃんと”整理して、 コスト・連携性・教育コストの3軸で比較して選んでいる。

BIツール導入の成否は、選び方で決まる。 “なんとなく”ではなく、“ちゃんと”選ぶことが、成果への第一歩だ。