その一言に、胸がざわついた

「ママ、黒板がちょっと見えにくいかも…」

ある日、学校から帰ってきた息子がぽつりとつぶやいた。

その瞬間、胸がギュッと締めつけられるような感覚が走った。

「え？それって…近視？」

あなたも、そんな経験はありませんか？

私は、正直ちょっと焦りました。

でも調べてみると、今の時代、“よく見える子ども”のほうが少数派なんだそうです。

令和6年度の文部科学省調査では、小学生の約37％が裸眼視力1.0未満。

そのうち8割以上が近視と考えられています。

眼球が「伸びる」ってどういうこと？

近視とは、ただ視力が悪くなるだけではありません。

実は、眼球の奥行き（眼軸長）が必要以上に伸びてしまうことで、ピントが合わなくなる状態なのです。

赤ちゃんの眼軸は約17mm。小学生になると22〜23mm、成人で24mm前後に落ち着くのが一般的。

ところが、近くばかり見ていると、眼球が順応して伸びすぎてしまうことがあります。

眼軸が伸びると、網膜が薄く引き伸ばされ、将来的に緑内障や網膜剥離などのリスクが高まることが報告されています。

特に強度近視（眼軸長26mm以上）は、視神経へのダメージが起こりやすく、失明につながる可能性もあるのです。

今日からできる、目を守る習慣

眼科医・大野京子先生（東京大学医学部附属病院）によると、生活習慣の見直しが近視予防の鍵だといいます。

✅ 20-20-20ルールを取り入れる

20分近くを見たら、20秒間、6m以上先を眺める。

ピント調節筋を休ませることで、眼軸の伸びを抑える効果があります。

✅ スマホやゲームは「大画面＆距離をとる」

小さい画面を近くで見るのが一番危険。

テレビにミラーリングして、離れて遊ぶだけでも負担は激減します。

✅ 屋外で1日2時間、光を浴びる

木陰やベランダでもOK。

自然光を浴びることで、眼球の伸びを抑えるドーパミンが分泌されるとされています。

✅ 生活リズムを整える

早寝早起きは、目の回復力を高める基本。

夜更かしや暗い部屋でのスマホ使用は、目にとって大きな負担です。

まずは今日から、20分ごとに遠くを見てください。

小さな習慣が、未来の視力を守る第一歩になります。

「うちの子も近視かも…」と思ったら

ここまで読んで、「うちの子、大丈夫かな？」と不安になった方もいるかもしれません。

でも、眼軸が伸びる前に対策すれば、進行を止めることは可能です。

眼科での定期検診、生活習慣の見直し、そして親子での協力。

それが、未来の視力を守る一番の近道です。

まとめ──守るべきは、子どもの未来の視界

近視は、ただの視力低下ではありません。

眼球が伸びることで、緑内障や網膜剥離などのリスクが高まることが医学的に示されています。

でも、今ならまだ間に合います。 今日からできることを、一つずつ始めてください。

• 20-20-20ルール
• 大画面でのゲーム
• 屋外2時間の光浴び
• 生活リズムの見直し
• そして、迷ったら眼科へ相談

未来の視界は、今日の行動で守れる。

あなたは、何から始めますか？

ご希望があれば、次回は「低濃度アトロピン点眼」や「オルソケラトロジー」など、治療法の比較もわかりやすくまとめますね。

さらに深掘りしたいテーマがあれば、ぜひ教えてください。